政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
半月後、予定通り料亭で食事会が開催された。
『お待たせして申し訳ありません』
部屋に入って来るなり頭を下げたすみれは、顔を上げた途端に目を真ん丸にした。
真輔はともかく、慧がいるなんて思いもしなかったのだろう。大きな二重瞼の目が自分に向けられたことに、慧はまんざらでもないような気持ちになった。
二年以上ぶりの再会だ。心が高揚しないはずがない。
高嶺の蕾と称されているすみれは、どんな花よりも美しい女性になっていた。慧には、彼女がやけに眩しく見えたのだ。
挨拶を交わしたすみれと真輔に次いで、慧も彼女に声をかける。
残念ながら、すみれは戸惑いのせいか挨拶を返してくれなかったけれど……。彼女の視線が自分に向いていることが、このときは素直に嬉しかった。
『早く座りなさい。彼らは忙しいのに、お前と会うために時間を作ってくれてるんだ』
すみれは、時間よりも十分ほど早く来ている。それなのに、やけに厳しい言い方をするんだな、と思った。これだけで父子関係が見えた。
『すみれさんはこちらへ』
『すみません……』
放っておけなくて、すぐさますみれを席に誘導する。彼女の口からこの日初めて自分に投げかけられたのは謝罪で、それが少しだけ切なかった。
食事が運ばれてくる中、すみれの父親が仕事の話題に触れる。慧と真輔は会話に入ったが、すみれだけが所在なさげに静かに食事を摂っていた。
もっとも、彼女は箸があまり進まないようだったけれど……。
内心では、すみれのことしか考えていない。しかし、この場で彼女の父親の機嫌を損ねるわけにもいかず、空気を読んでつまらない話に相槌を打った。
『お待たせして申し訳ありません』
部屋に入って来るなり頭を下げたすみれは、顔を上げた途端に目を真ん丸にした。
真輔はともかく、慧がいるなんて思いもしなかったのだろう。大きな二重瞼の目が自分に向けられたことに、慧はまんざらでもないような気持ちになった。
二年以上ぶりの再会だ。心が高揚しないはずがない。
高嶺の蕾と称されているすみれは、どんな花よりも美しい女性になっていた。慧には、彼女がやけに眩しく見えたのだ。
挨拶を交わしたすみれと真輔に次いで、慧も彼女に声をかける。
残念ながら、すみれは戸惑いのせいか挨拶を返してくれなかったけれど……。彼女の視線が自分に向いていることが、このときは素直に嬉しかった。
『早く座りなさい。彼らは忙しいのに、お前と会うために時間を作ってくれてるんだ』
すみれは、時間よりも十分ほど早く来ている。それなのに、やけに厳しい言い方をするんだな、と思った。これだけで父子関係が見えた。
『すみれさんはこちらへ』
『すみません……』
放っておけなくて、すぐさますみれを席に誘導する。彼女の口からこの日初めて自分に投げかけられたのは謝罪で、それが少しだけ切なかった。
食事が運ばれてくる中、すみれの父親が仕事の話題に触れる。慧と真輔は会話に入ったが、すみれだけが所在なさげに静かに食事を摂っていた。
もっとも、彼女は箸があまり進まないようだったけれど……。
内心では、すみれのことしか考えていない。しかし、この場で彼女の父親の機嫌を損ねるわけにもいかず、空気を読んでつまらない話に相槌を打った。