愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 ならば私もこれ以上悩むのはやめてしまおう。元来私はここまでウジウジと悩む方ではない。

 一応とはいえ貴族の端くれではあるため、昔からそれなりの教育は受けさせてもらっていた。だから最低限の知識はあるのだ。

 これでも、一応。

 けれど私の知識は教えられたものをそのまま暗記したものであり、自分で考えるのはからっきし。ザックリいってしまうと頭はあまりよろしくない。

 お兄様みたいに領地を治める訳ではないし、それでもいいと思っていた。

 お兄様達もお姉様達も『モリアはそのままでいい』と言ってくれた。
 そのせいか昔から難しいことを考えるのが苦手なのだ。すぐに頭が痛くなってしまう。

 私は難しいことを考えるのが苦手で。
 けれどラウス様はこの国随一の頭脳を有する人のなる職の宰相の補佐なんてものを務めているくらいだからきっと考え事は得意だろう。

 そんなラウス様が気にせず振る舞っているのならばあまり難しく考えない方がいいのではと思ってしまう。

 たまたま気になるワードが引っかかっただけかもしれないし。
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