愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 美味しいご飯をしっかりと味わうためにと家族総出で行われた食事のマナー講座は無駄ではなかったようだ。これからは食事のマナーには自信を持とう。

 だが、マナーが間違っているのでなければなぜ私はこんなにも見られているのだろう?

「お義姉様!」
「は、はい!」
「よろしければ私の分のステーキも食べませんか?」
「へ?」
「あの、ですね……実は先ほどのお茶会でお腹いっぱいになってしまいまして……」

 確かに結構食べていたようにも思える。
 残すのは勿体無いと思うのはやはりどの階級でも同じと言うことか。

 私、昨日の朝食残しちゃったからもったいないことをしたな……。
 そういえば量を減らして欲しいと告げるのをすっかり忘れていた。今日はしっかり残さず食べたけど……。

「アンジェリカ、嘘なんかつかずに自分で食べなさい」
「お父様……」
「モリアさん、君にはお代わりを用意させるから安心して欲しい」
「え、いや……そんな……」

 このお肉は確かに美味しい。今まで食べてきたお肉の中で一番といっても過言ではないだろう。だが、他人の家でお代わりを出してもらうほど図々しくはなりたくないのだ。

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