愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 お義母様はやはり怒られたことなど気にせずに頬をぷくっと膨らまして、いじけたように髪をいじる。

 それにしてもお義母様が一役かったとはなんの話だろう?
 私はただ借金があって、そしてカリバーン家が私を指名したからここにいるだけ。

 私はその結果は知っていても、過程をよく知らない。
 だがよくよく考えれば名家として知られるカリバーンが下級貴族を引き取るまでに色々ないざこざがあったとしてもおかしくはない。

 そうなるとただの『人違い』として引き取られた私としては少しだけ肩身がせまい。
 それでもここにいていいと思えるのは単純にこの家の誰もが私を排斥しようとしないからだろう。むしろ歓迎されている。

「それはまぁ……感謝はしていますが……」
「ならいいじゃない! 私もモリアちゃんと仲良くなりたいの!」

 少しばかり歓迎されすぎではないかと思わなくもないが……。

「そういえばお母様。来週のお茶会、モリアを連れて行くと叔母様に約束したそうですね?」
「ええそうよ。お義姉様もモリアちゃんに早く会いたいんですって!」

 それは私も初耳だ。
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