愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 どうせ大した予定も入っていないし、構わないのだがラウス様の叔母様か……。どんな方なのだろう?

 カリバーンの名前でさえも噂でしか知らなかった私にとって初対面の人になるのはまず間違いのないことだろう。

 だがなぜそんなにも会いたいと思ってもらえているのだろう?
 もしかしてカリバーンに相応しくないとでも言われるのだろうか?

 そうだとしたらまた振り出しに戻るだけだ。田舎村に帰ってせっせと借金返済に向けて地道に努力する生活に帰るだけ。

 そのはずなのにほんの少しだけ胸が疼くのはなぜだろう?
 ラウス様の言った通り体調でも悪いんだろうか?

 頑張り屋のお姉様達と違って、私はそうそう風邪なんてひかないのだけど、慣れないことが続いたからな……。いや、でも私の身体はそんなヤワではないはずなのだ。

 私が自分の身体と対話しているうちもやはり二人の形勢はラウス様が優勢のまま続いている。

「叔母様にはすでにお断りの手紙を出しておきましたから」
「なんでそんなことをするのよ!」
「叔母様には結婚式の招待状を出しているのですからそこで会えばいいでしょう!」
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