愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「ダメよ! これはもうモーチェス様との話し合いでも決まったことです」
「話し合いって、お父様が叔母様に逆らえる訳ないじゃないですか……」
「そう。だから今モリアちゃんがカリバーン家にお嫁に来れているのよ?」
「それは……まぁそうですが……」
「来週のお茶会は決定事項です。私とお義姉様、モリアちゃん、アンジェリカの四人でするお茶会だから、あなたは安心していつも通り仕事でもしていればいいのよ」
「はぁ……。まぁ身内だけだし、叔母様には恩があるからな……。モリア、すまないな……」

 話し合いの結果、私のお茶会参加は決まったようだ。

 3人中2人はお義母様とアンジェリカで緊張することはないと思いたいのだが、どうやらラウス様の叔母様はお義父様よりも力関係が強いらしい。そんな人とお茶会なんて、大丈夫な気がしない……。

「無礼のないように頑張りますね」

 だが私の出来ることはたかが知れていて、その相手の機嫌を損ねないように気をつけるくらいなものだろう。

 胸に手を当ててそう決意したのだが、お義母様はそんな決意をかき消すように呑気な声で「モリアちゃんはそのままでいいのよ」と笑った。


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