愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 それもレモン色とオレンジ色。昨日馬車の中でラウス様に話した色と全く同じだ。

 これもラウス様に買ってもらったものなのだろうか?
 本物が現れればそこでお役御免になる、期間限定の相手だというのに、たった一回の外出でこんなにいろいろと……。

 記憶が飛んでいたとはいえ、申し訳なさが募っていく。
 少しくらい遠慮して欲しかった。これがもしも宝飾品だったらーーなんて考えるだけでも頭が痛い。


 王都の店なんて入ったことはないが、そもそもアクセサリーというものは大層高価なもので、だからこそごく一部を除いた貴族のご令嬢達は高価なアクセサリーを身につけることによって自分のアドバンテージを示しているのだ。

 特に王都に店を構える宝飾店なんて上級貴族の御用達の店ばかり。
 地価も高いし、売り上げがよくなければ店を構えることなんてできっこないとなれば、単価はサンドレア家にいた頃の私が何度か足を運んだ宝飾店の何倍もしくは何十倍といく。


 アクセサリーほど高くはなくとも、この花瓶や、昨晩のランジェリーとネグリジェもそこそこのお値段はするはずで……。


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