愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 なぜよりにもよって嫁いで来たのが私だったのか。
 なぜ似ていたのが私だったのか。

 もうちょっとマシな人が来ればよかったのに! と思わずにはいられない。
 借金返済! と意気込んで来たはいいがこれだと借金返済どころか膨れ上がる一方だ。

 ただでさえ返せる見込みのなかったお金を、これ以上増えたらどう返せばいいというのか。

 せめて私の顔がもう少し、いや結構美人の部類に入れば豪商と呼ばれる人達の目にも止まっただろうに……。

 嫌いではないが、この地味顔では多くの令嬢の中で私を見つけてもらうことなんてありえないだろう。

 それにしてもラウス様が惚れた相手というのは私とよく似ているらしい。
 ということは中々の地味顔だ。これといった外見的な特長もないだろう。だが社交界の最良物件、ラウス様の心を見事射止めたというのだ。

 それもさほど交流を持たずして。

 そんなまだ見ぬ令嬢を思うと、中身さえ良ければ何とか良い相手を見つけられるのではないか? と期待してしまう。

 まぁ私にはそんな中身もないのだが……。
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