愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
いつも通りラウス様は朝早くからお義父様と一緒にお出かけになって、帰って来てから私と踊ってくださった。その後でいつもと変わらず食事をして別々に寝た。
やはり思い返してみてもダンス以外に変わった行動などとっていないはずだ。
そう私が結論づけたのとほぼ同時にラウス様も考え込むのを止めたらしく、いつも通りのラウス様に戻っていた。
「さてモリア、食事をとろうか」
「はい」
ラウス様はラウス様の中ですでに結論を出してしまっているため、昨日の私が何か彼の気を害するようなことをしてしまったか尋ねることは出来なかった。
ラウス様を見送った私は今、ひたすらに、手が動くがままにお義母様に分けて頂いたハンカチーフに刺繍をしている。
モデルは庭で目にした赤いバラだ。
バラ自体はサンドレアの家にいた時も何度か刺繍をしたモチーフでもあるし、慣れたものである。
それに工芸品作りもいくつかマスターしつつあった私は手先の器用さには自信があるのだ。
「モリアちゃん、器用ねぇ……」
「あ、もう葉の部分に入りましたわ!」
「義姉さん、糸足りてる? 大丈夫?」
やはり思い返してみてもダンス以外に変わった行動などとっていないはずだ。
そう私が結論づけたのとほぼ同時にラウス様も考え込むのを止めたらしく、いつも通りのラウス様に戻っていた。
「さてモリア、食事をとろうか」
「はい」
ラウス様はラウス様の中ですでに結論を出してしまっているため、昨日の私が何か彼の気を害するようなことをしてしまったか尋ねることは出来なかった。
ラウス様を見送った私は今、ひたすらに、手が動くがままにお義母様に分けて頂いたハンカチーフに刺繍をしている。
モデルは庭で目にした赤いバラだ。
バラ自体はサンドレアの家にいた時も何度か刺繍をしたモチーフでもあるし、慣れたものである。
それに工芸品作りもいくつかマスターしつつあった私は手先の器用さには自信があるのだ。
「モリアちゃん、器用ねぇ……」
「あ、もう葉の部分に入りましたわ!」
「義姉さん、糸足りてる? 大丈夫?」