愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 たとえ君が覚えていなくとも謝らせてほしい。君が他の男と結婚してしまったらと気ばかりせいていた俺の致命的なミスなのだから。

 ……サンドリア家がやり繰りに困っていると聞いて名乗りを上げたのは少しでも繋がりがあれば君を迎えに行きやすいと思ったからだ。

 それに、カリバーンの名前を聞けば君があの日のことを思い浮かべてくれるだろうと。自分の地位を過信していた。

 だが借金のカタにと迫ったと勘違いさせてしまうほど強引なやり方で君を連れてきたことは今でも後悔していない。

 俺はあの夜、君に惹かれた。
 そして婚約してからもずっと私は君に囚われている。モリア、君さえ良ければ俺と……結婚してほしい」


「ラウス様……」

 私はどうするべきなのか。
 その迷いが顔に出てしまっていたのか、ラウス様は優しさからか私の逃げ道になりそうなものをいくつも提示して行く。

「お金のことなら気にしないでいい。もとよりあれは貸したつもりなどないのだから」
「強引に話を進めてしまったが、いい相手がいるのであればそちらを選んでほしい」
「この件はサンドレアにカリバーンから謝罪させてもらう」

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