愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
膝の上に座れということだろう。ラウス様は私を人形のように抱きしめるのが好きなようだ。「失礼します」とだけ告げて、膝の上にお邪魔させてもらう。
馬の上に乗っていた時と同じようにすっぽりと抱きしめられる。けれど先ほどまではなかったはずの緊張感が芽生えてくる。
何かされるのかな?
不安半分、期待半分で身を固めていれば、ラウス様の声がすぐ近くで聞こえてくる。
「この湖は昼間も綺麗なんだが、俺は夜空に星が浮かんでからの方が好きなんだ」
嬉しそうに「ほら、星が映ってるだろ?」と湖を指さす。
すると緊張で見えていなかった湖が見えてきた。透き通った水面は空を映し出し、心地よい風はゆらゆらと水を揺らしている。
まるで空の絨毯みたい。
空に浮かぶ星も綺麗だが、水面に浮かぶ星はここに来なければ見られなかったもの。
その場凌ぎで、宝石を贈られるよりもマシと選んだのだろうが、自然に作り出されたこの光景は私の思い出のピースとして、今後も胸に刻み込まれることだろう。
「ラウス様」
「なんだ?」
「連れてきてくださってありがとうございます」
「ああ」
もちろん、このぬくもりも。
馬の上に乗っていた時と同じようにすっぽりと抱きしめられる。けれど先ほどまではなかったはずの緊張感が芽生えてくる。
何かされるのかな?
不安半分、期待半分で身を固めていれば、ラウス様の声がすぐ近くで聞こえてくる。
「この湖は昼間も綺麗なんだが、俺は夜空に星が浮かんでからの方が好きなんだ」
嬉しそうに「ほら、星が映ってるだろ?」と湖を指さす。
すると緊張で見えていなかった湖が見えてきた。透き通った水面は空を映し出し、心地よい風はゆらゆらと水を揺らしている。
まるで空の絨毯みたい。
空に浮かぶ星も綺麗だが、水面に浮かぶ星はここに来なければ見られなかったもの。
その場凌ぎで、宝石を贈られるよりもマシと選んだのだろうが、自然に作り出されたこの光景は私の思い出のピースとして、今後も胸に刻み込まれることだろう。
「ラウス様」
「なんだ?」
「連れてきてくださってありがとうございます」
「ああ」
もちろん、このぬくもりも。