愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 ネグリジェ姿のアンジェリカは、先ほどは不在であったテディベアをしっかりと胸元に抱え、私達の顔色を窺うようにしてトビラからこちらを覗いた。

「もちろん!」

 私はすぐにそう返す。けれどラウス様は腕を組んで、ブツブツと呟きながら悩んでいる様子だった。

 そしておでこを数回指先でトントンと叩いた後で「モリアはいいのか?」と私に伺いを立てた。

「もちろんです!」

 私の答えはアンジェリカに対して発したものと同じだ。アンジェリカが私のために今まで沢山の苦労をしてきてくれていたと知っていて、そんな彼女の願いを叶えてあげられないほど無力な義姉でいたくはないのだ。

「わかった。アンジェリカ、おいで」

 手招きをされ、嬉しそうにトトトと軽やかな足取りでベッドにやって来たアンジェリカは迷わずベッドの真ん中に陣取る。

 アンジェリカの右隣には私が、そして左隣には彼女の相棒のテディベアとラウス様が。そして彼女は布団を首元まで引っ張って幸せそうに笑った。

「アンジェリカ、モリアと少し、近すぎやしないか?」
「そうですか? ではお兄様とももっと近寄りますね!」

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