愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 アンジェリカはテディベアを自分の胸の上に載せ、そしてラウス様の腕を引き、わずかに空いていた間を埋めた。

 大きなベッドの真ん中にこれでもかと密集する姿はまるで家族のようだ。
 その場合、アンジェリカが子どもで、お母さんは私だろう。そしてお父さんは……とまで考えて顔が熱くなるのを感じた。

 結婚もしていないのに子どもなんて気が急いた自分が恥ずかしい女のように思えてならないのだ。

 するとアンジェリカもまた私と同じことを思ったようで、天井を見つめながらふと呟いた。

「こうして寝てると私、お義姉様の妹じゃなくて娘になった気分です」

 その言葉だけで認めてもらえたような気がして、愛おしい隣の少女の髪を撫でた。

 私という義姉を望んでくれて、受け入れてくれてありがとう――と。
 アンジェリカは目を閉じて、気持ちよさそうに私の腕に頬を擦りよせた。

「おやすみ、アンジェリカ、モリア」

 その言葉を耳に残し、眠りにつくのであった。



 朝というのはやはりいつものようにやって来る。
 たとえ隣にアンジェリカとラウス様がいようとも関係なく。

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