愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
一度落ち着いて、シャロン様にこの子の顔がよく見えるように重い身体をずいっと差し出す。
するとシャロン様は首を傾げ、そしてグスタフにソックリなこの子はふんと鼻を鳴らした。
「ダイナス! ダイナスはいないの? 早く来てちょうだい」
シャロン様は階段に向かって大きな声を上げる。するとすぐにその階段を一人の男性が駆け下りて来た。
ダイナス=レトッド様である。
あのかの有名な、そしてラウス様の従兄弟でもある彼は夜会の時のイメージとは打って変わって、顔立ちがいいことを除けば後はどこにでもいるような服装や体つきをした青年だった。
確かに以前ラウス様から彼は噂になっているような人物ではないと聞いたが、それにしても目の前の青年が本当にあのダイナス様なのかと我が目を疑っていた。
しかしその青年の口から出た声は間違いなくダイナス=レトッド様、その人の声だった。
「何、母さん」
「ダイナス、あなたはこの子のこと、知っている? 私には見覚えがなくって……」
するとシャロン様は首を傾げ、そしてグスタフにソックリなこの子はふんと鼻を鳴らした。
「ダイナス! ダイナスはいないの? 早く来てちょうだい」
シャロン様は階段に向かって大きな声を上げる。するとすぐにその階段を一人の男性が駆け下りて来た。
ダイナス=レトッド様である。
あのかの有名な、そしてラウス様の従兄弟でもある彼は夜会の時のイメージとは打って変わって、顔立ちがいいことを除けば後はどこにでもいるような服装や体つきをした青年だった。
確かに以前ラウス様から彼は噂になっているような人物ではないと聞いたが、それにしても目の前の青年が本当にあのダイナス様なのかと我が目を疑っていた。
しかしその青年の口から出た声は間違いなくダイナス=レトッド様、その人の声だった。
「何、母さん」
「ダイナス、あなたはこの子のこと、知っている? 私には見覚えがなくって……」