愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
だがサキヌとアンジェリカはもう何度も聞いているのか、全く聞いている様子などないのにその続きがお義母様の口から語られるより早くポンポンと答えが出てくる。
そして全ての障害を乗り越え、結婚したところまで語られるとサキヌは私に向かって身を乗り出した。
「俺はお母様達の馴れ初めよりお兄様と義姉さんの出会いの方が好きだな!」
そしてそれに同調するようにアンジェリカも興奮気味にまくし立てる。
「あの女嫌いのお兄様をたった一夜にして惚れさせたお話ですね! あれは私も好きです! 是非お姉様からもお話を聞いてみたいです!」
「それは、その……」
その様子に私はなんと答えるべきか考えあぐねた。
私の寝坊助の記憶は未だ奥底に眠っているのだ。すると困る私にお義母様は助け舟を出してくれた。
「いいの、モリアちゃん。モーチェス様もそうなのだけど、あの子はいざって言う時に押しが弱くて……ラウスにとっては一生を変えるだけの出来事でも、どうせあの子は何もできなかったのよね。記憶に残っていないのは仕方のないことよ」
「そんなことは……」
そして全ての障害を乗り越え、結婚したところまで語られるとサキヌは私に向かって身を乗り出した。
「俺はお母様達の馴れ初めよりお兄様と義姉さんの出会いの方が好きだな!」
そしてそれに同調するようにアンジェリカも興奮気味にまくし立てる。
「あの女嫌いのお兄様をたった一夜にして惚れさせたお話ですね! あれは私も好きです! 是非お姉様からもお話を聞いてみたいです!」
「それは、その……」
その様子に私はなんと答えるべきか考えあぐねた。
私の寝坊助の記憶は未だ奥底に眠っているのだ。すると困る私にお義母様は助け舟を出してくれた。
「いいの、モリアちゃん。モーチェス様もそうなのだけど、あの子はいざって言う時に押しが弱くて……ラウスにとっては一生を変えるだけの出来事でも、どうせあの子は何もできなかったのよね。記憶に残っていないのは仕方のないことよ」
「そんなことは……」