愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
材料費を気にしなくてもいいらしい今、わざわざサンドレア屋敷まで帰ってブーケを完成させる必要性は薄い。
――けれどそれだけが目的ではないのだ。
「帰って、お母様とお父様にこの1ヶ月と少しのことを報告しようと思います」
きっと心配しているだろうから。
ラウス様は、カリバーンの人達は私を歓迎してくれているのだと、そしてこの場所で私は生きて行くことを決めたのだと、他でもない大事な家族に伝えたいのだ。
「そうか……。俺も一度、サンドレア家に挨拶に伺いたいのだが、生憎仕事が立て込んでいてな……。モリア、気をつけて行ってきてくれ」
「はい! ありがとうございます」
その翌日、早速私はグスタフをお供に連れてしばらくぶりのサンドレア家へと向かった。
道中進んでは休みを繰り返し、4日かけて辿り着いたその場所はあの頃のままのサンドレア領だった。
「ただいま」
グスタフを横に引き連れ、胸の前ではブーケの材料として途中で入手したバラをかかえる。
ドアベルを鳴らすことなくそのまま屋敷の中へと突き進むとちょうど畑に出ようとしていたお兄様と目があった。
――けれどそれだけが目的ではないのだ。
「帰って、お母様とお父様にこの1ヶ月と少しのことを報告しようと思います」
きっと心配しているだろうから。
ラウス様は、カリバーンの人達は私を歓迎してくれているのだと、そしてこの場所で私は生きて行くことを決めたのだと、他でもない大事な家族に伝えたいのだ。
「そうか……。俺も一度、サンドレア家に挨拶に伺いたいのだが、生憎仕事が立て込んでいてな……。モリア、気をつけて行ってきてくれ」
「はい! ありがとうございます」
その翌日、早速私はグスタフをお供に連れてしばらくぶりのサンドレア家へと向かった。
道中進んでは休みを繰り返し、4日かけて辿り着いたその場所はあの頃のままのサンドレア領だった。
「ただいま」
グスタフを横に引き連れ、胸の前ではブーケの材料として途中で入手したバラをかかえる。
ドアベルを鳴らすことなくそのまま屋敷の中へと突き進むとちょうど畑に出ようとしていたお兄様と目があった。