愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「それでモリア、お母さんにもっとお話し聞かせてくれるわよね?」

 話題となるのはもちろんラウス様のこと。
 お父様とお兄様が居た時はどちらかといえばカリバーン家が話の中心だったのに対して、お母様はラウス様本人に興味があるようだ。

 いよいよ手を止めた時には一体夕食作りのために立っているのか、それともお父様達の居ない場所で2人きりで話をしたかったのかわからなくなったほどだ。

 恥ずかしいながらもいくつも浮かぶラウス様の素敵なところをお母様にお話ししていく。

 初めはポツポツと、けれど次第にお母様にもラウス様のことをもっと知って欲しくて、彼への気持ちが溢れ出す。

 初めての恋に浮かれる私の話をお母様は嬉しそうに聞いてくれたのだった。

 私達が夕食を作っている間にグスタフとの交流を楽しんだお兄様とお父様は、グスタフ用のご飯をせっせと用意していた。グスタフもまた久しぶりに家に帰ってきた、大事な家族なのだ。

 久しぶりにサンドレアで囲む夕食はカリバーン家のご飯のように豪華ではなかったけれど、私の好きなものばかりがテーブルに並ぶ最高の夕食になった。

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