愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
相棒のグスタフに「行ってくるわ」と私のいない間の留守を頼み、嬉しそうにテディベアの首を力強く締めつけるアンジェリカと共に馬車へと向かう。
道中、コロコロと笑っては楽しそうに私のいなかった日々の出来事を話すアンジェリカの姿を、私はこの目に焼き付けた。
アンジェリカは城へ着くなり、慣れた道筋を私の手を引いて先導する。
そしてとある一室の前へと辿り着くと、ほんの少しだけ表情を曇らせ弱々しくドアをノックした。
「誰だ」
「アンジェリカ=カリバーンでございます。本日はモリア=サンドレアと共に参りました」
「入れ」
初めの一言よりも固くなった言葉で入室を許された私達は、ピリピリと空気の張り詰めたマクベス王子の自室へと足を踏み入れた。
すぐにお茶とお菓子が用意され、一見すると歓迎されているようにも見える。
けれどそれは未だ緩むことのない空気を肌で感じれば、お茶のカップにすら手を伸ばすことは許されていないことがわかる。
「モリア=サンドレア」
「は、はい!」
「お前はなぜ今日、この場にいる」
道中、コロコロと笑っては楽しそうに私のいなかった日々の出来事を話すアンジェリカの姿を、私はこの目に焼き付けた。
アンジェリカは城へ着くなり、慣れた道筋を私の手を引いて先導する。
そしてとある一室の前へと辿り着くと、ほんの少しだけ表情を曇らせ弱々しくドアをノックした。
「誰だ」
「アンジェリカ=カリバーンでございます。本日はモリア=サンドレアと共に参りました」
「入れ」
初めの一言よりも固くなった言葉で入室を許された私達は、ピリピリと空気の張り詰めたマクベス王子の自室へと足を踏み入れた。
すぐにお茶とお菓子が用意され、一見すると歓迎されているようにも見える。
けれどそれは未だ緩むことのない空気を肌で感じれば、お茶のカップにすら手を伸ばすことは許されていないことがわかる。
「モリア=サンドレア」
「は、はい!」
「お前はなぜ今日、この場にいる」