愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
行きよりも大股で歩くアンジェリカは一刻も早くこの城を去りたいのだと背中で語っていた。
「アンジェリカ!」
遠くで叫ぶマクベス王子の声など耳にも入っていない様子で、カリバーン家の馬車まで着くと「早く出して!」と御者を叱責するように声を荒らげ急かした。
御者は何が何だか分からず、ただ言われた通りにすぐに馬を走らせる。
怒りのせいでまだ震えを収めることの出来ないアンジェリカは馬車の中でもずっと私の手を離すことはなかった。
「……お義姉様。気分を害してしまい、本当に申し訳ありませんでした」
そしてポツリポツリと涙を零し、アンジェリカは頭を垂れた。彼女が謝ることなど何もないというのに。
「何も気にしなくていいのよ。マクベス王子がおっしゃったことは事実ですもの。男爵家の娘ということも弁えずにあの場所へ着いて行った私が悪いの」
いつからか狂い始めたその感覚を取り戻せなかった私が「ごめんなさい」と謝るとアンジェリカは「そんなことありません」と必死に抵抗してみせた。
「あの方は自分が大好きなのです。それなのに私はあの方の気持ちを察せず、お義姉様のお話ばかりしてしまって……」
「アンジェリカ!」
遠くで叫ぶマクベス王子の声など耳にも入っていない様子で、カリバーン家の馬車まで着くと「早く出して!」と御者を叱責するように声を荒らげ急かした。
御者は何が何だか分からず、ただ言われた通りにすぐに馬を走らせる。
怒りのせいでまだ震えを収めることの出来ないアンジェリカは馬車の中でもずっと私の手を離すことはなかった。
「……お義姉様。気分を害してしまい、本当に申し訳ありませんでした」
そしてポツリポツリと涙を零し、アンジェリカは頭を垂れた。彼女が謝ることなど何もないというのに。
「何も気にしなくていいのよ。マクベス王子がおっしゃったことは事実ですもの。男爵家の娘ということも弁えずにあの場所へ着いて行った私が悪いの」
いつからか狂い始めたその感覚を取り戻せなかった私が「ごめんなさい」と謝るとアンジェリカは「そんなことありません」と必死に抵抗してみせた。
「あの方は自分が大好きなのです。それなのに私はあの方の気持ちを察せず、お義姉様のお話ばかりしてしまって……」