愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
この時が来てしまったかと身を強張らせている私を、ラウス様はこれから会う人に緊張しているのだと勘違いをしてくれたようだった。
賑わう会場から遠ざかり、休憩室として設けられている部屋の一室に入るとそこには爽やかな笑みを浮かべるダイナス様と、機嫌が悪そうな見知らぬ肉食系のご令嬢が腕組みをして私達を待ち構えていた。
ご令嬢はズンズンと私の元へと近づくとその腕を緩めることなく、その態度とは対照的な弱々しい声を出した。
「その……あの時は、悪かったわね」――と。
あの時と言われたところで何が何だかわからない私は「はぁ……」と力の抜けたような声で返事をしてしまう。
「と、とにかく私は謝りましたからね! ダイナス、これでいいのでしょう?」
言質は取ったとばかりにご令嬢が振り返るとそこにはジトッとした目でご令嬢を見つめるダイナス様の姿があった。
「そういう態度はダメだろう。ごめんな、モリアちゃん。ミリアールも悪気はないんだ。許してやってくれ」
「はぁ……」
「あの時といい、今といい、何で怒らないのよ!」
賑わう会場から遠ざかり、休憩室として設けられている部屋の一室に入るとそこには爽やかな笑みを浮かべるダイナス様と、機嫌が悪そうな見知らぬ肉食系のご令嬢が腕組みをして私達を待ち構えていた。
ご令嬢はズンズンと私の元へと近づくとその腕を緩めることなく、その態度とは対照的な弱々しい声を出した。
「その……あの時は、悪かったわね」――と。
あの時と言われたところで何が何だかわからない私は「はぁ……」と力の抜けたような声で返事をしてしまう。
「と、とにかく私は謝りましたからね! ダイナス、これでいいのでしょう?」
言質は取ったとばかりにご令嬢が振り返るとそこにはジトッとした目でご令嬢を見つめるダイナス様の姿があった。
「そういう態度はダメだろう。ごめんな、モリアちゃん。ミリアールも悪気はないんだ。許してやってくれ」
「はぁ……」
「あの時といい、今といい、何で怒らないのよ!」