愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
責められるようなその言葉でカリバーン屋敷からの離脱を阻まれた私は、それからラウス様と共に敷地内で夜の散歩をすることとなった。
月の光に照らされて、ラウス様の大きな背中はいつもよりも頼もしく、そして愛おしく思えた。その一方で心ではこうなったら早く心のうちを打ち明けてしまえと気持ちばかりが焦り、鼓動はバクバクと脈を打つ。
「ラウス様。ラウス様は、ハンドルケール家をご存知ですか?」
切り出しはまずまず。
家紋の隣に記載してあったその家名を口にすれば、驚くほどに気持ちが軽くなる。それだけ話せばもう、私の出番は終わったと言っても過言ではない。
「ああ知ってるが、いきなりどうしたんだ?」
「先日の夜会でハンドルケール家のご令嬢をお見かけしたものですから」
「ああ、そういえば来ていたな。確かハンドルケール家の三女がついこの間デビュタントを迎えたとかで結構いろんなところの社交界に顔を出しているらしい。サキヌもお母様も何も言ってなかったんだが、話しかけられでもしたか?」
「いえ、そうではなくて……」
だがラウス様はそう簡単に私を解放してはくれないようだ。
月の光に照らされて、ラウス様の大きな背中はいつもよりも頼もしく、そして愛おしく思えた。その一方で心ではこうなったら早く心のうちを打ち明けてしまえと気持ちばかりが焦り、鼓動はバクバクと脈を打つ。
「ラウス様。ラウス様は、ハンドルケール家をご存知ですか?」
切り出しはまずまず。
家紋の隣に記載してあったその家名を口にすれば、驚くほどに気持ちが軽くなる。それだけ話せばもう、私の出番は終わったと言っても過言ではない。
「ああ知ってるが、いきなりどうしたんだ?」
「先日の夜会でハンドルケール家のご令嬢をお見かけしたものですから」
「ああ、そういえば来ていたな。確かハンドルケール家の三女がついこの間デビュタントを迎えたとかで結構いろんなところの社交界に顔を出しているらしい。サキヌもお母様も何も言ってなかったんだが、話しかけられでもしたか?」
「いえ、そうではなくて……」
だがラウス様はそう簡単に私を解放してはくれないようだ。