愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
私はお義母様と彼女の引き連れた使用人達に囲まれて、たちまちに5年前の姿へと変わっていった。
あの日と違うのは私の顔が緊張で引きつった表情から幸せを噛みしめる女性の顔へと変わっていたことと、そして幸せを詰め込みすぎたせいか少し胸の辺りがキツくなったことだろう。
5年ぶりに陽の目を浴びたそのドレスはこれから家族になっていく人たちの声に応えるかのように、あの日よりも色鮮やかに身を染めているような気がした。
それからウェディングドレスの最終調整や、結婚式の日取り決めにとてんやわんやの私の元に珍しい来客が訪れた。
「久しいな。モリア=サンドレア」
その名に耳を疑った私が来客室へと赴くとそこで待ち受けていたのは使用人に聞いた通りの人、マクベス王子だった。
私の名前を口にしたことからアンジェリカと間違えて呼び出した、というわけでもなさそうだ。
「失礼します」
そう一声かけて彼の目の前の席に着くと、しばらく何とも言えない空気が私達の間をゆっくりと漂い始めた。けれどあの日のようにピリピリと肌を刺激するような空気ではないことに、私は少しだけホッとした。
あの日と違うのは私の顔が緊張で引きつった表情から幸せを噛みしめる女性の顔へと変わっていたことと、そして幸せを詰め込みすぎたせいか少し胸の辺りがキツくなったことだろう。
5年ぶりに陽の目を浴びたそのドレスはこれから家族になっていく人たちの声に応えるかのように、あの日よりも色鮮やかに身を染めているような気がした。
それからウェディングドレスの最終調整や、結婚式の日取り決めにとてんやわんやの私の元に珍しい来客が訪れた。
「久しいな。モリア=サンドレア」
その名に耳を疑った私が来客室へと赴くとそこで待ち受けていたのは使用人に聞いた通りの人、マクベス王子だった。
私の名前を口にしたことからアンジェリカと間違えて呼び出した、というわけでもなさそうだ。
「失礼します」
そう一声かけて彼の目の前の席に着くと、しばらく何とも言えない空気が私達の間をゆっくりと漂い始めた。けれどあの日のようにピリピリと肌を刺激するような空気ではないことに、私は少しだけホッとした。