愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「借金があるのか! ならば今すぐにでも俺が返済してこよう。それにどこかに奉公に行っているのならそれも話をつけてくる。だから、さぁ言いなさい」

 サンドリア家の借金はカリバーン家に借りたお金のことで、私の引き取り先もカリバーン家のはずだ。

 なぜ彼はこんなにも真面目な顔で詰め寄ってくるのだろうか?
 なんだか話が噛み合っていないような気がする。

「ラウス様」
「なんだ?」
「私は借金返済のためにこの屋敷に奉公に来たのですよね?」

 一応の、念のための確認だ。

 私の勘違いではなく、ラウス様と私の話がかみ合っていなかったとしたらこの話は永遠に解決することはない。

「……は?」
「初日で気を失うし、頂いたチャンスさえも爆睡してしまって、何の役には立っていないどころか迷惑しかかけていませんが……」

 言っていて自分で頭が痛くなる。
 こんなんだからこの歳までどこかにお嫁さんに行くことなく売れ残ってたんだろうな……。

 地味な顔立ちのせいにして背けていた現実に今更ながらに向き合い、涙が零れ落ちそうになる。

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