愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 けれど使用人でもお嫁さんでも、やることはあまり変わらないようだ。

 どちらにせよ、拒否権はない私にはあまり関係のない話なのだから。



「とりあえず朝食でも食べよう」

 頭を押さえてうずくまっていたラウス様はそう言って立ち上がった。

「ラウス様、体調はもう大丈夫なのですか?」
「ああ」

 ほんの少しの間しか休んではいないものの、もう回復したらしい。

 もしかしたらラウス様は頭痛持ちなのかもしれない。
 私は風邪を引いた時くらいしか頭は痛くならないけれど、ラウス様と私じゃ立場も生活も全く違う。ストレスがかかることも多いのだろう。

 お兄様のお友達の、商会の会長さんなんかはいつも、頭が痛いって頭を抱えてはよし! と気合いを入れて立ち上がったりするのだ。

「体調が悪くなったら遠慮なく言ってください。支えるくらいなら私でも出来ると思いますので」

 そんなラウス様に、私が出来ることと言ったらそれくらいだろう。

 使用人の方を呼ぶこともできるけれど、それはついさっきラウス様によって止められてしまった。

「……ああ」

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