愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
顔をしかめて返事をするラウス様。もしかしたらあまり体調が悪いことを他人に悟られたくないのかもしれない。
ならばいち早く対応するのが私の役目なのではないか。
側にいてほしいーーそう願ったのは、ラウス様が好意を寄せているのは、私ではない『誰か』で。本当ならば間違いです! と強く主張すべきなのだろう。
けれど私には、カリバーン家に多額の借金がある。
人違いだとしても、カリバーン家側が『モリア=サンドレアを妻に望む』と申し出た婚姻を断れないのだ。
私に出来ることといえば、その『誰か』が判明するまでの間、しっかりと勤めを果たすことだ。
「ラウス様、私、頑張りますから!」
「……それは……ことか」
「どうかなさいましたか?」
後半が聞き取れなくてラウス様に身体を寄せて声を拾おうとすると、ラウス様は緩く首を振った。
もしかしたらラウス様を悩ませているのは頭痛だけではないのかもしれない。
ダイニングルームのドアの前で待ち構えていた使用人が扉を開ける直前、ラウス様は振り向いた。
「モリアはここで少し待っていてくれ」
「はい」
ならばいち早く対応するのが私の役目なのではないか。
側にいてほしいーーそう願ったのは、ラウス様が好意を寄せているのは、私ではない『誰か』で。本当ならば間違いです! と強く主張すべきなのだろう。
けれど私には、カリバーン家に多額の借金がある。
人違いだとしても、カリバーン家側が『モリア=サンドレアを妻に望む』と申し出た婚姻を断れないのだ。
私に出来ることといえば、その『誰か』が判明するまでの間、しっかりと勤めを果たすことだ。
「ラウス様、私、頑張りますから!」
「……それは……ことか」
「どうかなさいましたか?」
後半が聞き取れなくてラウス様に身体を寄せて声を拾おうとすると、ラウス様は緩く首を振った。
もしかしたらラウス様を悩ませているのは頭痛だけではないのかもしれない。
ダイニングルームのドアの前で待ち構えていた使用人が扉を開ける直前、ラウス様は振り向いた。
「モリアはここで少し待っていてくれ」
「はい」