愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
ブーケを作れないという事実は思いの外重くのしかかる。
どうにかしてブーケから気持ちを逸らそうと、使用人達と顔を合わせる度に何か出来ることはないかと尋ねてみたのだが……。
清々しいほどの全敗だった。
「そんな! モリア様にこのようなことさせられません」
「どうぞ身体を休めていてください」
――とこんな調子である。
彼らが『このようなこと』と称した掃除や洗濯はサンドリア家では私の日常の一部に組み込まれていた。それらを放棄して休める身体などありはしない。
今晩に控えて、という意味があるのかもしれないが、良質な眠りを一日とり続けた私の身体は健康そのもの。むしろ体力を持て余している。
「暇、だなぁ……」
ラウス様から与えられた『隣にいてくれ』という役目はラウス様が仕事に出てしまっている以上実行はできない。
毎晩身体を求められるかもしれないが、それも夜限定の話。
初めてだったからぐっすり寝られただけで、これから毎回終わった後眠り続けるなんてことはないだろう。
それ以外の『妻となる』役目は一ヶ月ほど先のことだという。
どうにかしてブーケから気持ちを逸らそうと、使用人達と顔を合わせる度に何か出来ることはないかと尋ねてみたのだが……。
清々しいほどの全敗だった。
「そんな! モリア様にこのようなことさせられません」
「どうぞ身体を休めていてください」
――とこんな調子である。
彼らが『このようなこと』と称した掃除や洗濯はサンドリア家では私の日常の一部に組み込まれていた。それらを放棄して休める身体などありはしない。
今晩に控えて、という意味があるのかもしれないが、良質な眠りを一日とり続けた私の身体は健康そのもの。むしろ体力を持て余している。
「暇、だなぁ……」
ラウス様から与えられた『隣にいてくれ』という役目はラウス様が仕事に出てしまっている以上実行はできない。
毎晩身体を求められるかもしれないが、それも夜限定の話。
初めてだったからぐっすり寝られただけで、これから毎回終わった後眠り続けるなんてことはないだろう。
それ以外の『妻となる』役目は一ヶ月ほど先のことだという。