愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 なら一ヶ月間、私はこんな何もすることがない生活を送り続けなければいけないのか。考えただけで背筋がゾッとした。

 こんな時、もし教養でもあれば本を読んだり、楽器を奏でたりするのかもしれない。

 だが私は暇な時、鍬を振るって畑を耕すか山に果実を収穫しに行くか、はたまた工芸品作りに精を出すかのおおよそこの三つの中のどれかをして過ごしていた。

 カリバーン家で今後このような生活を送るとして、この中で出来ることと言ったら工芸品作りくらいなものだろうか。

 けれどやはりそれも材料はサンドリア領にしかなくて、王都に出荷されているものは中間の商人が彼らの利益分の値段を乗せているので結構な値段になる。

 つまり工芸品作りをするにもブーケと同じように材料を揃えるだけのお金か、サンドリア領に連れて行ってもらえるだけの信頼が必要なわけで、悲しいことだが今の私には到底無理なことなのだ。


 前途多難すぎる……。
 がっくりと肩を落とすしかない自分がふがいない。

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