愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「義姉さん、座りなよ。ずっと立っていたら疲れちゃうだろう?」
「え、ええ」
サキヌ様に声をかけられなければずっと私はその場に立ち尽くしていたことだろう。それほどまでにこの庭は美しく、そして侵してはいけない場所だと思わせたのだ。
サキヌ様はいつまで経っても動こうとはしない私の手を引いて歩き出す。
ゆっくりと一歩進むたびに、自分の手から先は御伽噺の中へとつながっているのではないかと錯覚しそうになる。
けれどそんなロマンチックな幻想は、ティーテーブルに近づくと簡単に崩れ去った。
「サキヌ、今度こそモリアちゃんが真ん中よ!」
「お母様、席の配置を換えましたね?」
「さすがサキヌね。これなら今からモーチェス様の補佐としてもやっていけるわ」
「誤魔化さないでください!」
この庭に移動する間も並び順で揉めたのならば、やはり今度は席順でも揉めるらしい。
なぜこんなにも歓迎されているのかは未だにわからないが、緊張していた身体と心はスッカリと解れてきている。
「義姉さんの席はここでいい?」
「モリアちゃんも早く座って? お茶しましょ」
「え、ええ」
サキヌ様に声をかけられなければずっと私はその場に立ち尽くしていたことだろう。それほどまでにこの庭は美しく、そして侵してはいけない場所だと思わせたのだ。
サキヌ様はいつまで経っても動こうとはしない私の手を引いて歩き出す。
ゆっくりと一歩進むたびに、自分の手から先は御伽噺の中へとつながっているのではないかと錯覚しそうになる。
けれどそんなロマンチックな幻想は、ティーテーブルに近づくと簡単に崩れ去った。
「サキヌ、今度こそモリアちゃんが真ん中よ!」
「お母様、席の配置を換えましたね?」
「さすがサキヌね。これなら今からモーチェス様の補佐としてもやっていけるわ」
「誤魔化さないでください!」
この庭に移動する間も並び順で揉めたのならば、やはり今度は席順でも揉めるらしい。
なぜこんなにも歓迎されているのかは未だにわからないが、緊張していた身体と心はスッカリと解れてきている。
「義姉さんの席はここでいい?」
「モリアちゃんも早く座って? お茶しましょ」