愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
それは朝方ハーヴェイさんと交わした会話によく似ていた。だから余計に胸に深く突き刺さる。
「いえ……。ブーケはその、別になくても構いませんから……」
そう、なくても困りはしないのだ。
初めからブーケを作りたいというのは私のワガママに過ぎない。お金もなければ、もらえる愛もないくせに提案した私が悪いのだ。
「だが……」
私の中である程度の踏ん切りがついていた分、この話は早めに切り上げたい。掘り返されれば余計に諦めがつかなくなってしまう。
憧れていた時間が長いだけに意外と根深いのだ。
どうせ諦めなければいけないのならば傷は浅いほうがいい。
「お手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」
これ以上話を続ける気はないのだとすまなさそうに頭を下げれば、ラウス様もその先を続けようとはしなかった。
「……食べないのか?」
会話が途切れたのと同じように完全に手が止まった私をラウス様は心配そうに見つめている。
「ええ、その……お腹がいっぱいで……」
それは嘘ではない。先ほど勧められるがままに食べていたケーキはまだお腹の中に残っている。
「いえ……。ブーケはその、別になくても構いませんから……」
そう、なくても困りはしないのだ。
初めからブーケを作りたいというのは私のワガママに過ぎない。お金もなければ、もらえる愛もないくせに提案した私が悪いのだ。
「だが……」
私の中である程度の踏ん切りがついていた分、この話は早めに切り上げたい。掘り返されれば余計に諦めがつかなくなってしまう。
憧れていた時間が長いだけに意外と根深いのだ。
どうせ諦めなければいけないのならば傷は浅いほうがいい。
「お手を煩わせてしまい、申し訳ありませんでした」
これ以上話を続ける気はないのだとすまなさそうに頭を下げれば、ラウス様もその先を続けようとはしなかった。
「……食べないのか?」
会話が途切れたのと同じように完全に手が止まった私をラウス様は心配そうに見つめている。
「ええ、その……お腹がいっぱいで……」
それは嘘ではない。先ほど勧められるがままに食べていたケーキはまだお腹の中に残っている。