愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
指にはめては光にかざして眺めてみたり、首元に飾ってみたり、はたまた頭に乗せてみたり――と彼女たちならこれらを上手く生かす方法を知っているのだろう。
目の前の女性が持つレースなんかはつけられるよりも作り手のほうが向いていると、女性の手元をじいっと見つめてしまう。
きっと編めないことはない。
難しそうではあるけれど、手先は不器用な方ではないので練習次第でなんとでもなるだろう。
「モリア様、もう少しで終わりますので」
「はあ……」
レースを眺めることによって意識を逸らしているうちにドレスを作るための採寸は仕上げ段階へと入っていく。
どうやら私はカリバーン家へと引き取られていくらしい。
元々今回の取り引きがサンドレア家とカリバーン家の間で行われていることは知っていた。
その上でここに運ばれてくる馬車の中で同席した、おそらくカリバーン家の執事であろう、銀のフレームのよく似合う妙年の男性が追加情報ともいえる『引き取られる先』もとい『滞在先』を教えてくれた。
目の前の女性が持つレースなんかはつけられるよりも作り手のほうが向いていると、女性の手元をじいっと見つめてしまう。
きっと編めないことはない。
難しそうではあるけれど、手先は不器用な方ではないので練習次第でなんとでもなるだろう。
「モリア様、もう少しで終わりますので」
「はあ……」
レースを眺めることによって意識を逸らしているうちにドレスを作るための採寸は仕上げ段階へと入っていく。
どうやら私はカリバーン家へと引き取られていくらしい。
元々今回の取り引きがサンドレア家とカリバーン家の間で行われていることは知っていた。
その上でここに運ばれてくる馬車の中で同席した、おそらくカリバーン家の執事であろう、銀のフレームのよく似合う妙年の男性が追加情報ともいえる『引き取られる先』もとい『滞在先』を教えてくれた。