愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
おそらく、というか確実にラウス様は私の身体の心配をしてくださっている。それはヒシヒシと伝わってくるのだ。だがいくらなんでもこれは何とも恥ずかしい。
間近にラウス様の顔が見え、視線を逸らすも代わりにラウス様の手が肩に触れているのを目にしてしまう。
するとまだ上があったのかと思うほどに顔はますます熱を帯びていく。
穴があったら、なんてそんな大層なことは言わないから、せめてラウス様との間に顔を隠すような何かが欲しい。
ないよりはマシだと両手で顔を隠せば、ラウス様は勘違いを重ねていく。
「部屋までの辛抱だからな……」
優しく気遣うような声で、包み込むような手で包まれて揺られていく。恥ずかしくなる一方で頭の隅には冷静な自分がいる。
ラウス様が想う人は別にいるのだと。
心配をしているのは想い人のことなのだと。
ラウス様の目の前にいるのは確かに私ではあるが、心にいるのは別人である。
カリバーン家に引き取られるまで私とラウス様は会ったことすらなくて、私が一方的に社交界の噂で聞いていただけだったのだ。
そんな関係からプロポーズに繋がることはまずないだろう。
間近にラウス様の顔が見え、視線を逸らすも代わりにラウス様の手が肩に触れているのを目にしてしまう。
するとまだ上があったのかと思うほどに顔はますます熱を帯びていく。
穴があったら、なんてそんな大層なことは言わないから、せめてラウス様との間に顔を隠すような何かが欲しい。
ないよりはマシだと両手で顔を隠せば、ラウス様は勘違いを重ねていく。
「部屋までの辛抱だからな……」
優しく気遣うような声で、包み込むような手で包まれて揺られていく。恥ずかしくなる一方で頭の隅には冷静な自分がいる。
ラウス様が想う人は別にいるのだと。
心配をしているのは想い人のことなのだと。
ラウス様の目の前にいるのは確かに私ではあるが、心にいるのは別人である。
カリバーン家に引き取られるまで私とラウス様は会ったことすらなくて、私が一方的に社交界の噂で聞いていただけだったのだ。
そんな関係からプロポーズに繋がることはまずないだろう。