おくれなば


私はただ笑うことしかできなかった。


そんなことないよ、とも、バカにしないでよ、とも、
何も言えなかった。


だって、そもそも、知らないから。

園芸部が何なのか、彼らが何をしているのか、どこでどんな活動をしているのか、
私は一切、知らないんだ。



ちくり、ちくり、ちくり。


消えたはずの痛みは再び姿を現す。

もしかしたら病気なのかな……。

それとも橘くんの呪いか……!?


心とは裏腹に愛想笑いを浮かべながら横目に見た橘くんの顔は、一瞬こちらを捉えて、すぐに逸らした。


それはこれまでに味わったことのないほどに、
怖くて、鋭くて、冷たくて、

哀しい目つきだった。



「っ、」


日常の小さなひとコマ。
このたった数十秒の出来事で。

私は初めて、このグループの居心地が悪いと、思った。

ぎゅっと、拳を、握った。



「……──らぁ、桜ー?おーい、聞いてるー?」

「っえ!?あ、ごめんごめん、なになに?」


もー、ぼーっとしちゃってー!と頭を小突かれて我に返る。


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