おくれなば
この動画みた?バズってるやつ!と画面を向けてもらい、もう別の話題になっていることに気付かされる。
そうしてガールズトークに花を咲かせていたら、昼休みはあっという間に終わった。
午後の授業は全て別教室だった。
だから、橘くんと話すきっかけはなかった。
授業が終わって放課後になっても、私は後ろを振り向く勇気が出なかった。
また、あの、冷酷な目を向けられるのが、怖かった。
……────翌朝、バスケ部の掃除担当が回ってきた私は、早めに学校に着いて体育館へ行く。
部室を軽く掃き掃除して、溜まっていたゴミ箱の袋を替えて、ゴミ置き場へ向かった。
「あれ?ここじゃなかったっけ」
まだ数えるほどしか行ったことのない場所だから、どうやら道を間違えたようで、見覚えのない茂みに来てしまった。
私より遥かに背の高い茂みだけど、よく見たら密集した草木の間に狭い道がある。
この奥にも何かあるかもしれないけど、明らかに違う道だと思うから。
引き返そうとした、その時。