おくれなば
「……〜〜?」
「ーーー、〜〜……」
どこからか人の話し声が聞こえた。
どうしてか気になった私は、ゴミ袋を一旦その場に置いて、茂みの奥に歩を進める。
ジャリ、パキッ、と土や枝を踏む音がゆっくり鳴る。
葉と枝の隙間から、覗いてみると。
「ビニールハウス……?」
学校にこんなところがあったなんて。
古びた骨組みに半透明のシートが頼りなく張られて、ぽつんと佇んでいるそれ。
ビニールハウスの中はびっしりと植物が入っているようで、中の様子ははっきり見えない。
なんとなく近づいてみると、ビニールハウスの扉に『園芸部』という手書きの札が掛けてあった。
「ここって……!」
例の、庭?
こんなところにあったんだ。
じゃあこの中にいるのは。
キィイ……
無意識に手が動き、扉を引く。
無意識に息が止まり、忍び足になる。
そうっと、足を、踏み入れた、刹那。