おくれなば
私も人をサポートする側だから、その気持ちが少しわかる気がするんだ。
そう付け加えて、頭を上半身ごと振り下ろす。
「あんなこと言って笑って、本当にごめんなさい!」
初めて話した時の梅ちゃんのように、深々と。
さらりとピンクベージュの髪が落ちる。
春色のカーテンが視界を遮る。
しばらくの沈黙の後、すっと誰かが動く気配がした。
「顔あげなよ、髪に土ついちゃう」
橘くんが、身をかがめて。
私の髪を、耳にかけてくれる。
「っ、」
じわ、と、触れられた耳から熱を感じた。
ぱっと上半身を起こす。
「別に桜さんが言ったわけじゃないから、謝らないでいいよ」
立ち上がりながらそう言って、橘くんはぐるりとこのビニールハウスじゅうを見渡した。
「俺は花が好きだから園芸部に入っただけ。地味でも何でもいいけど、この綺麗な植物たちを知らないのは勿体無いと思う」
花を見つめる橘くんの眼差しは、とてもとても、
輝いていて、柔らかくて、優しかった。