おくれなば

ガタッ、と私の後ろの席の人が立ち上がる音がして、すたすたと黒板の前へ向かう男子制服。

うわあ、身長高くて脚なっがいなー、モデル体型!
なんて後ろ姿の彼に無言で話しかける。

顔もイケメンだったら完璧だね、なんて期待を込めて眺めていると。



ギロッ!


「ひいっ……!」


思わず声にならない悲鳴が出た。


「……(たちばな) 宏弥(ひろや)です。よろしくお願いします」


彼は早口に言い終えて早足に自分の席につく。



……え、今絶対睨まれたよね?

すごく気迫のある目つきだった。
どこの組長ですか?ってくらい危ない世界にいそうな感じ。

もしかして私の無言の圧力が届いちゃったのかな!?
こ、怖い……。

期待通りのイケメンだったかどうかなんて確認できないほど目つきが悪かった。


心臓がばくばくと騒いでる。

よりによってこんな怖い人が後ろの席だなんて……!
< 3 / 57 >

この作品をシェア

pagetop