おくれなば
なんで睨まれたんだろう。
私何か悪いことしちゃったのかな。
後ろの席だけど、できるだけ接しないようにした方がいいかもしれない……。
なんてごちゃごちゃ考えていたら、自己紹介の時間はいつの間にか過ぎていった。
*
────いーち、にー、さーん、しー、
放課後、体育館に響く部員たちの声。
それに重なるバスケットボールの跳ねる音。
でも今日は、体育館の片隅しか使えない日だから、試合もないし部員も少なめ。
「桜ちゃん、こっちのキーパーもう洗っちゃって!」
「わかりました!」
先輩マネージャーの指差すドリンクキーパーを持ち上げる。
「よいしょっと」
高校からはバスケをプレイする側じゃなくて、支える側のマネージャーをすることにした。
マネージャーの仕事は想像以上に多忙で、覚えることがいっぱいだし、細かいルールもあって慣れるまでは大変。
でも先輩は優しいし、同じマネ友もできたし、好きなバスケに携われるのはなんだかんだ楽しいんだ。