おくれなば


何のケアしてるの?とか女子トークが始まったので、俺は教科書を出してパラパラとめくる。

テスト範囲が書かれたプリントを見ながら教科書の頁にマークしていると、急にトントンと机を突かれて。


「ね、宏弥はどんな髪型の女の子が好み?」


考えたことも無かった質問を投げかけられた。



「……似合ってれば何でも」


えー、と不満げな声で口をとがらせる桜。

具体的にと言われても、大して興味の無いことはわからない。


「じゃあ、例えば私なら?」


そう言ってさらっとピンクの髪をかきあげる。

ふわっと甘い香りがした。


桜はいつも、髪の上半分を後ろの高い位置で結んでいる。

結び目に付いてるアクセサリーは、リボンだったり花だったりダイヤみたいなキラキラだったり日替わりだ。


「その髪型なんていうの?」

「これ?ハーフアップ!どう?似合ってるっ?」


ぶんぶんと首を左右に回して長い髪をなびかせる。

また、甘くてフルーティーな香りが充満した。


「うん、桜っぽい」

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