おくれなば



「っ……!」


驚きが隠せない。

視界がぐにゃりと歪むような、強い衝撃を受ける。

思わずうつむいてしまう。


「その、好きって……、どういう意味で……」


まさか、桜の口からそんな言葉が飛んでくるなんて、想像もしていなかった。

だから意味がわからなかった。

その“好き”というのは、友達としてなのか、男女としてなのか、もっと別のものなのか。


声の主は続ける。


「私っ……宏弥の彼女になりたい!好きだから、友達じゃなくて、もっと近くにいさせてほしいの」


桜は“好き”の意味を解明するように、静かに、でもはっきりと、言葉を紡いだ。

そこに込められた愛が言霊となって、俺の頭の中で何度も何度もリピートした。


──好き

──彼女になりたい

──もっと近くに……





胸がきゅっとした。


この感情は、きっと。



「俺……「私も橘くんが好きですっ!!!!」


言いかけたセリフが阻まれた。

どきっと心臓が飛び跳ねた。




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