恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
私は事前に室長から聞いていた副社長の好みに従い、コーヒーを淹れるために、副社長室に併設されている執務室へと足を向けた。
パタンと扉を閉める音が執務室内に寂しく響き、私は「はぁ〜」と大きく息を吐き出す。
背中を扉に預けてそっと目を閉じると、先ほどの光景が脳裏に蘇り、思わず小さく身震いした。
「はぁ……」
今度は無意識に、さらに深いため息が漏れる。もう社内中に、私が副社長の秘書になったことは知れ渡っているはずだ。考えても仕方がないと自分に言い聞かせるしかない。そうして必死に気持ちを切り替えて、手を動かし始めた。
――コンコン
「失礼します。コーヒーをお持ち……」
声をかけながら顔を上げたその瞬間、私は言葉を失う。そこに先ほどまでいたはずの室長の姿はなく、席に座っていたはずの副社長が窓際に立ち、じっとこちらを見つめていたのだ。
「えっと……遅くなりました。何かございましたでしょうか?」
射抜くような視線に耐えきれず、私は慌ててデスクへコーヒーを置き声をかける。だがその間も、彼の視線は一度も逸らされることはなかった。
パタンと扉を閉める音が執務室内に寂しく響き、私は「はぁ〜」と大きく息を吐き出す。
背中を扉に預けてそっと目を閉じると、先ほどの光景が脳裏に蘇り、思わず小さく身震いした。
「はぁ……」
今度は無意識に、さらに深いため息が漏れる。もう社内中に、私が副社長の秘書になったことは知れ渡っているはずだ。考えても仕方がないと自分に言い聞かせるしかない。そうして必死に気持ちを切り替えて、手を動かし始めた。
――コンコン
「失礼します。コーヒーをお持ち……」
声をかけながら顔を上げたその瞬間、私は言葉を失う。そこに先ほどまでいたはずの室長の姿はなく、席に座っていたはずの副社長が窓際に立ち、じっとこちらを見つめていたのだ。
「えっと……遅くなりました。何かございましたでしょうか?」
射抜くような視線に耐えきれず、私は慌ててデスクへコーヒーを置き声をかける。だがその間も、彼の視線は一度も逸らされることはなかった。