恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
注目されることに慣れている副社長は、一瞬だけ柔らかく微笑み、その場の空気ごと周囲を虜にしている。
「「「きゃぁ~」」」
たちまち、その場にいた女性たちから黄色い歓声が上がった。私はこの状況に強い危機感を覚え、無自覚に敵を増やした副社長へ、恨めしげな視線を向ける。
そんな彼を先頭に、室長、その後ろに秘書課のメンバーと私が続き、エレベーターへと向かった。大理石の床にコツコツと革靴の足音が響き、そのたびにすれ違う女性たちの羨望と嫉妬の視線が、痛いほど突き刺さる。
秘書課の先輩たちは、注目されるこの状況を誇らしく思っているのか背筋を伸ばして堂々と――まるで肩で風を切るように歩いていた。それに対し、私だけは居心地の悪さに耐えきれず、自然と肩をすぼめて小さくなる。
エレベーターで最上階へ到着すると、副社長は一切迷うことなく自室へと向かった。室長と私がそのあとに続き、秘書課のメンバーはどこか恨めしそうな表情でその背中を見送っている。
「ふぅ……」
副社長室に入るなり小さく息を吐き出し、重厚な執務デスクの椅子に深く腰を下ろした。その何気ない仕草でさえ、不思議と様になっている。
「「「きゃぁ~」」」
たちまち、その場にいた女性たちから黄色い歓声が上がった。私はこの状況に強い危機感を覚え、無自覚に敵を増やした副社長へ、恨めしげな視線を向ける。
そんな彼を先頭に、室長、その後ろに秘書課のメンバーと私が続き、エレベーターへと向かった。大理石の床にコツコツと革靴の足音が響き、そのたびにすれ違う女性たちの羨望と嫉妬の視線が、痛いほど突き刺さる。
秘書課の先輩たちは、注目されるこの状況を誇らしく思っているのか背筋を伸ばして堂々と――まるで肩で風を切るように歩いていた。それに対し、私だけは居心地の悪さに耐えきれず、自然と肩をすぼめて小さくなる。
エレベーターで最上階へ到着すると、副社長は一切迷うことなく自室へと向かった。室長と私がそのあとに続き、秘書課のメンバーはどこか恨めしそうな表情でその背中を見送っている。
「ふぅ……」
副社長室に入るなり小さく息を吐き出し、重厚な執務デスクの椅子に深く腰を下ろした。その何気ない仕草でさえ、不思議と様になっている。