恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 徐々に、私たちの関係が変わりつつある——そんな予感がしていた。

 そんなある日——

 ——トゥルルルル……

 私ではなく、要さんのスマホに着信が入った。基本的に仕事の電話は、秘書である私にかかってくる。

「はい——」

 電話に出た要さんは、英語で話し始めた。その表情は真剣そのもので、長引きそうな予感がして、私はそっと秘書室へと戻る。

 ——コンコン

 しばらくして、副社長室へ続く扉がノックされた。私は席を立ち、その扉を開く。

 そこに立っていた要さんの表情はやはり真剣で、何か問題が発生しているのだとすぐに察した。

「みのり、出張だ」

「どちらへですか?」

「アメリカ——ロサンゼルスだ。俺のいた支社で少々問題が発生した。いや、正確には前から予兆はあったが、もう俺が行かないと解決しそうにない」

 要さん自らが出向くということは、それだけ深刻な状況だということか。

「副社長のチケットを手配すればよろしいですか?」

「いや、みのりも同行してくれ」

「ええっ……⁉」

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