恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
スティーブンの車に乗り込み、私たちは目的地へ向かって出発した。その車内では、早速仕事の話が始まる。
私は二人の会話の邪魔をしないように黙ったまま、窓の外へ視線を向けた。見慣れないロサンゼルスの街並みが流れていく。日本とは違い車が右側通行なのもあって、どうにも不思議な感覚が抜けない。
『それで? どうだ? 何か進展はあったか?』
後部座席から、要さんがスティーブンに問いかける。
『いや、とにかくカナメを出せの一点張りだ』
『はぁ……。日本に帰国する時、はっきり伝えたんだがな。まぁ、でもみのりを見たら諦めるだろう』
『えっ? 私?』
突然、自分の名前が出てきて思わず声を上げる。
私をロスまで連れて来たのには、何か別の理由があるということだろうか。
先日のお嬢様騒動のこともあって、これ以上面倒事に巻き込まれるのは正直ごめんだ。さっきまでファーストクラスの快適さに浮かれていた気分が、一瞬にして現実へと引き戻される。
『あぁ。まぁ、すぐにわかると思うが……取引先の奥様が、俺の嫁を探すって言い出してな』
『えっ? 嫁?』
思わず聞き返してしまう。
『そうだ。余計なお世話だろう? だけど向こうも意地になっちゃってな。大事な取引先で強く出られると、こちらとしても無下にはできないんだ』
要さんはそう言って、深いため息をついた。その様子を見ていると、先日の高橋父娘とは違って一筋縄ではいかないのだろう。
私は二人の会話の邪魔をしないように黙ったまま、窓の外へ視線を向けた。見慣れないロサンゼルスの街並みが流れていく。日本とは違い車が右側通行なのもあって、どうにも不思議な感覚が抜けない。
『それで? どうだ? 何か進展はあったか?』
後部座席から、要さんがスティーブンに問いかける。
『いや、とにかくカナメを出せの一点張りだ』
『はぁ……。日本に帰国する時、はっきり伝えたんだがな。まぁ、でもみのりを見たら諦めるだろう』
『えっ? 私?』
突然、自分の名前が出てきて思わず声を上げる。
私をロスまで連れて来たのには、何か別の理由があるということだろうか。
先日のお嬢様騒動のこともあって、これ以上面倒事に巻き込まれるのは正直ごめんだ。さっきまでファーストクラスの快適さに浮かれていた気分が、一瞬にして現実へと引き戻される。
『あぁ。まぁ、すぐにわかると思うが……取引先の奥様が、俺の嫁を探すって言い出してな』
『えっ? 嫁?』
思わず聞き返してしまう。
『そうだ。余計なお世話だろう? だけど向こうも意地になっちゃってな。大事な取引先で強く出られると、こちらとしても無下にはできないんだ』
要さんはそう言って、深いため息をついた。その様子を見ていると、先日の高橋父娘とは違って一筋縄ではいかないのだろう。