恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 パスポートの有無を確認し、飛行機の手配はみのりに任せることにした。ホテルについては俺なりの考えがあったため、事前にスティーブンへ連絡を入れ、必要な手配を指示しておく。

 そして翌日——

 仕事を切り上げて俺たちは、そのまま会社から空港へと向かう。ところが、空港に着いて早々、思わぬ出来事が待ち受けていた。

 当然のように、みのりもファーストクラスを手配しているものだと思っていたのだが——

 確認してみると、みのりは自分の席だけエコノミークラスを取っていたのだ。

「はぁ?」

 あまりの衝撃に、思わず間の抜けた声が漏れる。

 まさか俺だけファーストクラスで、自分はエコノミーにするつもりだったとは——いや、会社員として考えれば、みのりの判断は間違っていないのかもしれない。

 出張で同行する秘書が、高額な席を取るわけにはいかない。むしろ常識的な判断なのだろう。

 だが、それとこれとは話が別だ。


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