恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 もちろん、俺が選んだ相手なのだから否定されるとは思っていない。だが、本当に俺たちが恋人同士なのだと信じてもらえるかどうかは別問題だ。

 それでも心配はしていない。なぜなら、俺には俺なりの作戦がある。

 スティーブンとホテルのロビーで合流し、そのまま車でブラウン家へ向かった。

 到着した屋敷は、何度見ても個人宅とは思えない規模だ。広大な敷地に手入れの行き届いた庭園。まるで映画に出てくる豪邸そのもの。

 そして、ブラウン夫人の反応は予想していた通りだった。みのりを見る目には疑いが混じっている。

 だが、今はそれでいい。焦る必要はない。俺が待っている機会は、必ずやってくるのだから。

『そうだ! いいことを思いついたわ!』

 突然声を上げた奥様は、楽しそうに手を叩いた。その内容を聞き、俺は内心でほくそ笑む。

 明後日に開催される創立記念パーティーへ、俺たちを招待するというのだ。

 願ってもない展開だった。そう――俺の作戦を実行する舞台が整う。

 あとはその日を待つだけだ。絶対に成功する。そんな確信にも近い自信が、俺の胸にはあった。

***
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