恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦

一歩先の関係

『明後日、楽しみにしているわ!』

 奥様はそう言って、にこやかな笑顔で私たちを玄関先まで見送ってくれた。けれど、その笑顔の真意がどうしてもわからない。私は思わず、ぶるっと身震いした。

 隣を歩く要さんを見るが、その表情からは何を考えているのか読み取れない。

『じゃあ、パーティーで!』

 呼んでもらったタクシーに乗り込みホテルへ戻ると、私たちを降ろしたスティーブンは、そのまま帰っていった。ほろ酔いのまま上機嫌で去っていくスティーブンが、今は少し恨めしい。

「要さん! どうするんですか!」

 勧められたワインを飲み、すっかり酔いが回っている私は、いつもより饒舌になっていた。その勢いのまま、要さんに詰め寄る。

「みのり、落ち着け。酔ってるだろう」

「酔ってますよ〜。あんな豪邸で、シェフの料理を食べながら美魔女の相手をするなんて、素面でいられるわけがありません!」

「くくっ、美魔女か。確かにそんな感じだな」

 焦りまくっている私とは対照的に、要さんは呑気そうに笑っている。

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