恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 気持ちを切り替えるために、私はシャワールームへ飛び込んだ。頭から熱めのお湯を浴びて、さっきまでの動揺を洗い流すように深く息をつく。どうにか気持ちをリセットしてから身だしなみを整え、リビングへ向かった。

——カチャ

「すみません。お待たせしました」

 要さんはすでに身支度を済ませ、ソファに腰掛けてノートパソコンの画面に視線を向けていた。仕事の確認でもしていたのだろうか、その姿さえ絵になっている。

「おっ、準備できたか? まずはホテルのレストランでランチにしよう」

「はい……」

 秘密にされている今日の予定も、明日に控えたパーティーのことも、考えれば考えるほど不安ばかりが膨らんでいく。仕事のつもりで来たはずなのに、どうしても気持ちが沈んでしまい、自然と返事にも元気がなくなってしまった。

「みのり、せっかくロスに来たんだから楽しもうじゃないか」


< 140 / 184 >

この作品をシェア

pagetop