恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
 私の憂鬱な気持ちとは正反対に、要さんは終始ご機嫌で、どこか子どものように目を輝かせている。その明るさが眩しくて、少しだけ羨ましく思えた。

 二人でスイートルームを出て、ホテルのレストランへ向かって歩き始める。すると、廊下を歩くたびに、あちこちから女性たちの視線がこちらへ集まってくるのを感じた。

 隣を歩く要さんへ目を向ける。今日は仕事用のスーツではなく、洗練された私服姿だった。シンプルなのに品があって、まるで海外のファッション誌から飛び出してきたモデルのように、一際目を引いている。

 これだけ格好いい人が歩いていれば、女性たちが振り返るのも無理はない。

 ……そんな要さんの隣を歩く私は、場違いじゃないだろうか。

 周囲の視線を感じるたびに、自信のなさが胸の奥からじわりと込み上げてきた。自分だけが、この華やかな景色に溶け込めていないような気がしてしまう。



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