恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
***

「要さん! どうするんですか!」

 興奮したみのりは、アルコールも入っているせいか、いつも以上に饒舌だった。

 奥様のことを『美魔女』と絶妙な表現で呼ぶものだから、おかしくて思わず笑ってしまう。

「笑っている場合じゃないですよ!」

 頬を膨らませてムキになるみのりがかわいくて、ついからかいたくなった。

「俺にも考えがある。それには、みのりの協力が必要不可欠なんだ」

 本当は協力というより、みのりがいなければ成立しない作戦だ。そして、この計画をきっかけに、俺との距離をぐっと縮めたいと思っている。

 初日に『恋はいたしません!』ときっぱり宣言されてから、俺たちの関係は少しずつ変化し、近づいてきていると自負していた。

 みのりのトラウマの元凶だった元カレも退治し、彼女の気持ちにも何かしらの変化が生まれているんじゃないかと、密かに期待している。

 アルコールの勢いを借りて、もう少しだけみのりと一緒に飲みたい。そんな下心を隠しながら、それとなく誘ってみる。

 先にシャワーを浴びた俺は、シャンパンをグラスに注ぎ、みのりが部屋へ戻ってくるのを静かに待っていた。

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