恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「えっ……?」

「ふっ、予想通りの反応だ」

 私が戸惑っている隣で、要さんは余裕たっぷりの笑みを浮かべた。

(予想通りって何? めちゃくちゃ目立ってるんですけど……)

 そんな周囲の視線など気にも留めず、要さんは私の腰へそっと手を回し、そのまま身体を引き寄せる。まるで本当の恋人同士のような距離に、胸がドキッと高鳴った。

『あのアジアンビューティーは誰?』

『カナメ様がフィアンセを探しているって聞いたけど……』

 止まっていた時間が再び動き出したように、あちこちで憶測が飛び交う。私へ向けられる視線には、嫉妬と羨望が入り混じっていた。

「さあ、みのり。今日は俺たちが主役だ」

「えっ? 創立記念パーティーですよね?」

「奥様から誘われたんだ。好きにしていいってことだろう? 行こう!」

 確かにパーティーへ招待はされた。でも、「好きにしていい」と言われた覚えはない。このままでは注目を集めすぎてしまう。何とか奥様に、要さんのパートナーとして納得してもらう必要がありそうだ。


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